アメリカから埋没法の抜糸にご来院された患者様(2017年10月の症例)
昨日、アメリカから20年近く前に行った埋没法の抜糸をご希望された患者様がご来院されました。
今年の2月くらいから目をつぶって動かすとゴロゴロするようになったそうです。
最初は原因が分からずそのまま放置していたそうですが、インターネットで調べているうちに同じような症状がある人が埋没法の抜糸を行ったという記事を見て、自分も埋没法の糸が原因だろうと考えるようになったとのことです。
眼科で診てもらったのか聞くと診てもらってないとのことでした。
あれっと思いましたが、よく考えてみると、アメリカに住んでいらっしゃるのです。
日本の感覚だと、何かあればとりあえず保険診療で安く医療を受けられますが、アメリカの医療費は高いので、簡単に診察を受けにいけません。そういった意味で日本は恵まれた国です。
また、アメリカには埋没法ができる先生が少ないのです。
西洋人は基本的に切開で二重の手術をするし、もともと二重なのでたるみ取で切開をするなど特殊です。
わざわざ糸で二重をつくるなんて発想はなく、以前私のクリニックに来たアメリカのドクターも私が埋没法の説明をすると、興味深く聞いていました。
埋没法でさえ知らないので、埋没法の抜糸なんてさらに先の話はよく分からないはずです。
カウンセリングを行い、手術室へ移動してもらって診察を行いました。
まぶたをひっくり返してみると、裏から糸が飛び出ていました。
糸が飛び出ていた場合、急いで抜糸をしないといけません。
20年近く前の糸なので、取れるのかどうか不安があったそうですが、今回は問題なく抜去できました。
逆になんでこんなに長く放置しておいたのか、放置すればするほど眼球に傷がついていきます。
今回、抜糸を行ったので、もう大丈夫になります。
とにかく目の裏がゴロゴロしていたら、診察費用はかかりますが、見せにいらして下さい。
診察費用と自分の眼球とどちらが大切でしょうか。
診察費用を惜しんでご来院されないと、視力の低下を招くこともあります。
わざわざ海外から来たかいがありましたとおっしゃっていただきました。
日本にいる友人が候補のクリニックを調べてリストアップしてくれたそうです。
とても喜んでお帰りになられました。