他院埋没式眼瞼下垂の抜糸
本日は他院埋没式眼瞼下垂の抜糸を行いました。
メールをいただいていました。
「他院で4年前に受けた眼瞼下垂改善の手術(糸によるもの、左目のみ)の修正を先生にお願いしたく思っています。
手術直後より就寝時に瞼が閉じなくなってしまい、また4年経った現在でも糸の引きつりが目立ちます。
人前でうっかり寝てしまうこともできないので、辛い毎日です。
就寝中瞼が閉じないので、目がさめるたびに眼球がひりひりするのを感じます。
再手術のダウンタイムに関するスケジュール的な問題、金額的な問題、執刀してくださった先生に修正をお願いすることへの不安などから、ためらっているうちに4年も経過してしまいました。
HPを拝見して、先生ならば信頼して修正をお願いできると感じてご相談させていただくことを決めました。
どうかよろしくお願いいたします。」
ご来院いただいてお話を伺うと、10年以上前に埋没法を2回されています。
その後5年前に部分切開を行い、左目の開きが弱いので埋没式眼瞼下垂の手術を受けたとのことでした。
術中、目を開いてと言われ、目を開いたら開きが弱いので強く結びますと言われてぎゅっと強く糸を結ばれたが目の開きは変わらず、その後二重のラインもおかしくなり、寝ている時に目が閉じなくなったとのことでした。
一口に埋没式眼瞼下垂と言ってもいろいろなやり方があります。
どんなやり方でやったのかお聞きしましたが、分からないとのことでした。
まぶたを引き上げるのに1本の糸で引き上げる先生、2本の糸で引きあげる先生、まれに3本以上の糸で引き上げる先生がいらっしゃいます。
また、単に目の開きを良くしただけなのか、二重の幅の調整を一緒に行ったかでもやり方が大きく変わります。
手術後まぶたの表面に傷がありましたかとお聞きしてもよく分からないとのことでした。
「今、ホームページで前回に受けたクリニックの確認をしてきましたが具体的なやり方は書いていませんでした。
また、先生はどうも上手じゃなさそうだし、一生懸命診療をやっている感じにも見えなかったので、おそらく1点でまぶたの裏側から糸を通しているだけの手術をやっていると思います。
もし、本日どうしても手術をご希望であれば、推測しながらやっていかなくてはなりません。
一番良いのは、以前手術を受けたクリニックにどうやってやったか聞いてきていただくことですが、難しいですよね?」
と聞きすると、
「もう以前のクリニックには行きたくありません!」
と泣き出されてしまいました。
「今日手術をやっていただくつもりで来ましたのでやって下さい」とおっしゃるので、
「うまくいくとは保証できませんが、推測しながら全力でやってみます」
と手術を引き受けました。
手術が始まりました。
まぶたの裏側を丁寧に観察していくとうっすらと以前の手術跡らしきものがあります。
おそらく中央部から1点で留めてまぶたを引き上げています。
前回の手術跡から切開し、糸を発見し、無事糸を見つけ出すことができました。
「軽くなりました!」
と喜んでおられました。
「どうしてそのクリニックで手術を受けられたのですか?」
とお聞きすると、
「安かったからです。(保険適応)
でも、ホームページには両側45,000円程度と書いてあったのに8万円も取られました」
とおっしゃっておられました。
とにかく料金がHPどおりでないクリニックは怪しいです。
修正手術など特殊な例を除いて表示料金と提示された料金が違ったら、思いとどまることが大切です。
安物買いの銭失いにならないように、ホームページで安い料金提示のクリニックには十分気を付けて下さい。