埋没法3点留の抜糸の工夫
昨日は患者様が京都から埋没法の抜糸にご来院されました。
「京都からわざわざお越しいただいて有難うございます。
お近くのクリニックでやってもらえなかったのですか?」
「いろいろ調べてみたんですけど、どのクリニックも切って糸を探すとHPに書いてあって、小さな穴から探してもらえるのはここだけでした」
昨日は土曜日でしたが、月曜日から出勤とのことで土日の間に何とかして欲しいとのことでした。
「切開して糸を探すので、表面を縫合した糸を抜糸しに再来院する必要もないし、月曜日からお化粧して仕事に行っていただけますよ」と伝えると、すごく喜んでいただきました。
今回、3点留を受けたとのことでしたが、まぶたの表面には4か所穴があるように見えました。
埋没法の抜糸には常に推理が必要です。
なぜ3点留の手術で4か所に穴があるのかを推測していくのです。
一番考えられることは長い糸で4か所から3本の糸を使って縫合していることです。
しかし、4か所から穴を開けて2点留しかしていないインチキクリニックも時々あります。
(その場合は4点留と称して4点留の費用を取っている場合が多いですが)
もしくははずれにくくするための工夫で穴だけ開けて組織を取り、糸を通していないか。
いろんな可能性を考えながら手術をしていきます。
これまで何度もそのクリニックの3点留は抜糸していますが、チェーン店なのでドクターによっても微妙にやり方は変わり毎回決して同じではなく、1回1回が真剣勝負になります。
一番分かりやすそうな位置からまず1本目を見つけます。すぐに糸の結び目が出てきました。軽く引っ張ってみると、長い糸であることが分かりました。
長い糸である場合は、長い1本の糸に3か所の結び目をつくり、3点留とするやり方もあります。
そのやり方だと、糸が見つかったからといってそこで引っ張ってひとつの結び目を取ってしまうと、引っ張られたことによって糸が移動して、他の傷口から糸が分かりにくくなることがあります。
(目白ポセンシアクリニックでは小さな穴から糸を抜糸するのでこの方法が必要ですが、切開するなら糸はつながって見えるのでこのような工夫は必要ありません。やはり切開する方が楽で技術が要りません)
そのため、結び目が見つかった時点でその結び目を黒い糸で結んでどこにいったか分からなくなることがないようにし、それ以上深追いをしないで隣の結び目を探し始めました。
すぐ隣の糸の結び目が見つかり引っ張ってみると、最初の糸とつながっていないことが分かりました。3本の別々の糸を使って行う3点留であろうと予測がつきます。この時、糸がつながっているやり方だと引っ張った時に最初の糸の位置が分からなくなることがあるので、ここでも最初に逃げないように糸を縛っておくことが保険になっています。
3点留左右で計6本の糸が無事抜糸でき、その場で目を開けるのが軽くなり、二重も自然になったと喜んでいただきました。二重のラインはその場で消えることは少なく、時間の経過とともにゆっくりと元の状態に戻っていくことが多いです。
上に書いたようなざまざまな工夫や推理が目白ポセンシアクリニックの他院埋没糸抜去の圧倒的な成功率の高さの秘密になっています。
他院の埋没法の抜糸でお困りの方はご相談下さい。