大手美容外科で埋没法の術後対応してもらえなかった他院埋没法抜糸の患者様
26歳の女性が他院の埋没法の抜糸のご相談でご来院されました。
「とにかく話を聞いて欲しい」と問診表に書かれていました。
話を聞いて欲しいってどういうことだろうと思いながらカウンセリングに向かいました。
7年前に大手美容外科で埋没法を受けたが、今年の10月になって左まぶたの位置具が赤く盛り上がったきたので、そのクリニックに検診に行ったら週間分処方されました。
糸が出ているのではないかと聞いたら、糸を出ていないと言われたとのことでした。
1週間経って盛り上がりが治ってないので再度検診に言ったら、患部を診察することなくそのまま半年くらい様子をみてくださいと言われて帰されてしまったとのことでした。
すぐにインターネットで検索をされてご来院されました。
こういった機動力というか俊敏性がすごいと思いましたが、話を聞いてみると薬剤師さんとのことで、抗生剤を1週間分出して、半年のうちに治るからそのまま様子をみるようにと言われたがそんなはずはない、絶対におかしいと思い、急いで次の手を打ったとのことで、さすがです。
こういう人は良い方向に進んでいきやすいです。
その大手美容外科では糸は出ていないと言われたとのことでしたが、糸は体の外まで露出はしていませんでしたが、皮膚の表面まで浮き上がってきていました。
大手美容外科では半年経ったら治ると言われたとのことでしたが、この状態であれば糸を抜かない限り半年経っても治りません。
ご本人は糸を抜去して、リスクはあるだろうが仕事を休めないのでできればそのまま埋没法で留めなおして欲しいとのことでした。
そこでプロとして、正しい考え方をお教えしました。
1. ひとつの正しいやり方は本日とりあえず抜糸を行う。2週間ほど様子をみて問題なければ埋没法で糸を留めなおす。ただし、これはご本人が本日1回で処置を済ませたいとおっしゃっておられるので、除外されます。
2. 本日、抜糸と埋没法を行うなら、埋没法を行う場所は抜糸を行った場所からずらすことにより感染のリスクを減らす。ただし、場所をずらしても再度感染してしまう可能性はある。
3. 二重の部分切開法を行い、その過程で抜糸も行う。二重をつくる中縫いの糸は入れるやり方と入れないやり方があり、入れる場合は溶けない糸(ナイロン糸)を使う場合と溶ける糸を使う場合がある。今回は感染を起こしている可能性があるので、溶けない糸は使わない方が良いが、糸は入れておきたいので溶ける糸を使って中縫いを行う。糸は半年くらいで溶けるが、半年あれば癒着が起こってしっかり二重ができるので、そちらで対応してはどうか。また、部分切開でやらせてもらえるなら、現在の盛り上がってぽこっとなっている部分はきれいに切り取ることができるので一緒に傷跡形成も行いますとお伝えしました。
患者様は、しばらく考えて部分切開法で傷跡形成をしながら前回の埋没法の糸の抜糸を行うことにしました。
目白ポセンシアクリニックでは、埋没の糸を小さな穴から取ることが特徴ですが、このようにぽこっとなっている症例では、部分切開法で傷跡形成も行いながら抜糸を行った方が傷跡がきれいになる場合もあります。
本日部分切開の抜糸にご来院されましたが、傷跡はとてもきれいになっていたので、今回は切開法で抜糸を行って良かったと思いました。
ご本人も医療従事者とのことで、前回の大手美容外科では全然話を聞いてもらえなかたが、今回はしっかりと話を聞いてもらえたので安心して手術を受けることができたとおっしゃっていただきました。