美容整形の究極の目的は自己受容です。ご自身のことが好きですか?
今日は、他院で目頭切開で切り過ぎた患者様の修正手術を行いました。
この患者様はパッと見きれいな方でしたが、残念なことに明らかに目頭が切られ過ぎ、目頭の赤い部分が全部見えてしまっているし、目頭の形が四角くなっていました。
手術した先生は決して下手な先生ではありませんが、結果を出そうと一生懸命やり過ぎて切り過ぎてしまったのだと思います。
私は赤い部分がある程度は隠れるように目と目の間の距離を離した方が良いと思いましたが、ご本人に希望は目と目の間の距離をなるべく変えないで、目頭の形だけを四角から三角に変えて欲しいというご要望でした。
目頭の形を四角から三角に変える手術であれば私は何度もやってきていますが、その際、通常目頭の部分は埋められ、目と目の間の距離は離れます。
当院の症例をご参照下さい。
しかし、今回は目と目の間の距離はなるべく変えないで形だけを変えて欲しいという難しい注文です。
普通の先生なら断る可能性が高い難しい注文ですが、実は以前にも同じような注文を受けたことがあり、私には経験がありました。
単に目頭切開を戻すだけの手術を行うと、目と目の間が離れてしまうので、まずさらに目頭切開を行って切り足し、それから戻す手術を行うと、目と目の間の距離をあまり変えずに形を整えることができるのです。
今回は細かい注文なのでいつも以上に気をつけながら手術を行いました。
何度もミラーチェックを行い、ご本人にご確認いただきました。
「前回の手術の時はまったく鏡を見せてもらえませんでした。こんなに何度も鏡で確認させていただいて有難うございます」と言われました。
通常、美容外科医は自分の美的感覚に従って手術を行います。
患者様の美的感覚より、自分の美的感覚に従って手術を行うので、時として患者様にご満足のいかない結果となります。
ひどい例になると、手術した患者様が同じような整形顔になっていきます。
私は自分の美的感覚を磨くために美術館に行ったりしますが、手術の時は自分の心を無にして患者様の感覚になり切って手術を行うようにしています。
「前回、手術してくれた先生は佐々木希さんを絶賛していて、私も佐々木希さんのファンだったので感性が合うと思って手術をお願いしましたが、そういった基準で選ぶのは良くないのですね」とおっしゃいました。
佐々木希さんはステキな女性ですが、彼女の独特な顔は、もともとの土台がないと作るのは難しいと思います。
単に整形手術で作れる顔ではないのです。
最近、私が考える整形の目的は、自己受容です。
自分のこと、自分の顔が嫌いな人がたくさんいらっしゃいます。
自分の顔が嫌いだからといって、誰かの顔になり、誰かの人生を歩んでいくのは悲しいことです。
自分のことを受け入れる。自分のことを好きになり、自分自身の人生を謳歌する。
そのために美容整形の手術を受けていただきたいし、患者様が自分のことを好きになれるお手伝いをするために自分は頑張って仕事していきたいと考えています。