20年前に行われた埋没法の抜糸 2018.8.23
昨日、20年前に行われた埋没法の抜糸をご希望される患者様がご来院されました。
2ヶ月前から急にゴロゴロし始めたとのことでした。
眼科でまぶたの裏側から糸が出ているので抜糸をしてもらうように言われたらしいです。
私が診てみると、確かにまぶたの裏側にポチッとしたものはありますが、糸が切れて飛び出ているという感じではありませんでした。
まぶたの裏側からポチッと出ている場合、通常は身体の自然治癒力が働き、膜のようなものができて包み込み、表面を滑らかにします。
昔の埋没法は裏から糸が出るやり方で行われることが多かったですが、そんな場合も最初はまぶたの裏側がゴロゴロしていても、数か月も経てばなじんで来て違和感がなくなることが多かったのは、この膜が張られるためです。
人間の力はすごいです。
この患者様の場合もポチッとした部分には膜が張られていたので、これが原因かどうかはわかりません。
しかし、目をつぶってもらってまぶたの上からそのポチッとした部分の上を押さえると、違和感を感じるのはその部分だとおっしゃるので、やはりその部分が原因のようです。
糸がまぶたの裏側から直接出ていなくても、糸が強く結ばれて違和感が出ていることもあり、明らかに糸が出ている所見がなくても、抜糸を行うと楽になったとおっしゃる患者様はこれまでもたくさんいらっしゃいました。
古い糸であり、かつ違和感を感じられているので、絶対に抜去しなければいけない糸です。
ポセンシアクリニックでは通常、小さな穴から埋没法の抜糸を行いますが、小さな穴から抜糸を行うと糸が見つからないことがあります。
なので、このような絶対に取らなければいけない古い糸の場合は、切開して抜糸を行うことをお勧めすることがあります。
この患者様にも確実に抜糸ができるように、表面から抜糸をすることをご提案しました。
表面から切開しても、このようなケースでは手間取ることが多々あります。
他のクリニックで抜糸を行えば、5分も探せばありませんと諦められて、それ以上は探してもらえないことが多いようですが、当院では粘ります。
この患者様の抜糸もてこずりましたが、20分くらい糸を探したでしょうか、経年劣化で脱色して透明になった小さな糸が出てきました。
患者様にいかがですかとお聞きしました。
通常は手術中の刺激があり、麻酔も効いているので分かりませんとおっしゃる場合が多いですが、この患者様は締め付けられる感じがなくなりましたとおっしゃっておられたので、きっとこれで良くなると思いました。
ポセンシアクリニックではこのように20年以上前に行った埋没法の抜糸のような難しい症例でも時間をかけてしっかりと探しますので、お困りの方はご相談下さい。