今田美奈子先生との出会い
- 今田美奈子先生との出会いについて
フランス・ロワール地方にある
ロゼール城先日、新宿に買い物に出かけました。
新宿の高島屋にお菓子研究家の今田美奈子先生が、ティーサロン「サロン・ド・テ・ミュゼ イマダミナコ」を新しくオープンされた翌日だったので、そこでお茶をすることにしました。今田美奈子先生は、ヨーロッパ各地の国立の製菓学校やホテル学校で学ばれ、2003年には、フランス政府芸術文化勲章を受章され、フランスの古城であるロゼール城を所有する城主でもあられます。
生活を芸術ととらえ、「生活芸術」という考えを提唱されている今田美奈子先生は、茶道を学び、日常生活自体を芸術化していくという考えを持つ私のコンセプトと近く、今田美奈子先生のことはずっと尊敬しておりました。
すぐ前にGパンをはいたカップルが入っていきました。
私はネクタイをしていませんでしたが、スーツでした。
サロンに入ると、コンシェルジュが席に案内してくれたのですが、前のカップルは入り口の席に案内されました。私たちは、ずっと奥の少し隔離された部屋に通されました。
すると、その部屋では、なんと今田美奈子先生が他の方とお話をされていらっしゃったのです。
私たちはそこから少し離れた席に案内されました。今田美奈子先生と
フランス・シラク大統領今田美奈子先生のサロンは、ヨーロッパ調の豪華な内装の素晴らしいサロンですが、私たちの席のすぐ横には、今田美奈子先生がそろえられたヨーロッパの貴婦人たちが愛した食器や置物が惜しげもなく数多く展示されていました。
サロンのスタッフの方には、まだオープンして二日目にも関わらず十分訓練を積まれ、日本の一流ホテルを超えるサービスでもてなしていただけました。
コーヒーとケーキを楽しみながら、とてもゆったりとした時間を過ごすことができました。ほとんど食べ終わる頃、今田美奈子先生がじきじきに私たちの席までご挨拶にいらっしゃってくださいました。
今田美奈子先生と私は初対面だったのですが、思わず私は席を立ち上がり、ご挨拶をしました。
そして、今田美奈子先生の著書のことやコレクションの陶器のお話など、少しさせていただきました。
ヨーロッパの貴婦人たちが
愛した数々の陶器
帰りに手土産までいただいてしまいましたこの日、今田美奈子先生に直接お会いできることを期待していませんでしたが、何十年も生活芸術に情熱を注いでこられた今田美奈子先生の美学と、謙虚な美しい心にも触れることが出来たのは、嬉しく、感動的な出来事でした。
この時、私は、今田美奈子先生のサロンのような、きちんとした高い美学を持つ場所に出向く時は、やはり、服装もそれにふさわしくするべきだと思ったのです。
きちんとした装(よそお)いは、時には人生に思いがけないチャンスを生み出してくれることがあります。
今回も、私たちがそれなりのきちんとした服装で今田美奈子先生のサロンに訪れたので、このような予想もしていなかった幸運に巡り合うことができたと思うのです。すぐ前のカップルはGパンをはいておられました。
私も普段はGパンでいることも多いのですが、この日はきちんとスーツを着て行ったのです。
ファッションは自分のためにするものでもありますが、相手に対する敬意を示す場合もあります。
私たちが敬意を示した服装でいくことで、敬意を示した対応をしてくれたのです。
きちんとした身なりは、窮屈に感じる場合もあるでしょうが、人生に思いがえないチャンスを運んできてくれることもあるのです。これは、服で人を差別しているわけではありません。
服装とは、自分がどう扱われたいかを表現しているのです。
装(よそお)いとは、周りに自分がどのような人なのか、どのように扱われたいのかを無言のうちに示すひとつのメッセージでもあるのです。今田美奈子先生セッティング
少女の誕生日Gパンだと、気軽に過ごしたいというメッセージを周りに送っているのです。
サロンの方も気を遣わずに気楽にお茶を楽しんでもらえるように、大勢の人がお茶をしている入り口の席に案内したのです。
もし、Gパンをはいたカップルが奥の広い静かな部屋に案内されても、恐縮してしまったり、恥ずかしい思いをして、お茶を楽しむことはできなくなってしまいます。スーツは、きちんとした雰囲気で飲食をしたいという表現を表す場合があります。
だから、奥の静かな部屋へ案内していただけたと思うのです。
スタッフの方に見守られながらの食事は、ある意味、気が抜けず緊張しますが、ずっとサポートされながら食事をするという、それがひとつの贅沢(ぜいたく)にもなるのです。
それぞれの方がそれぞれの方に合った楽しみ方ができるよう、それぞれの方に合わせてサロンの方が区別をしてくださっているのです。もし、自分の人生を向上させ、より良くするためのファッションをしたいのであれば、相手に対する敬意を表現したファッションを心がけた方が良いと思います。
相手に対する敬意、さらには自分を大切に扱ってもらえるようなファッションです。
そして、自分より年配の方々に好感を持って頂けるようなファッションなら、なお良い気がいたします。
それは、仕事でのチャンスをもらったり、素晴らしい人の縁をつくってもらえたり、いろんな人生に役に立つ知識を教えてもらえるのは、自分より年配の方が多いものだからです。画像は今田美奈子先生著
「お菓子と食卓のファンタジー」
(角川学芸出版)
より転載させていただきました。特にポセンシアクリニックには、未成年の方が親御さんとご一緒にご来院される場合やご年配の方のご来院もございますので、お父様やお母様、また、ご年配の方が安心し、信用していただけるよう気を遣っています。
その結果、幅広い年齢層の方に通っていただけるクリニックになっているのです。TPOに合った相手に敬意を示したファッションは、自分の人生により良いチャンスを増やしてくれます。
単にかわいいからとか、カッコ良いから、若く見えるから、といった考えで服を選ぶのではなく、相手に敬意を示し、自分が大切に扱われるという観点からファッションを考え、ファッションセンスを磨いていくのは、幸福な生活につながっていくと思うのです。
このような観点から、既存のファッションセンスを脱皮した、自分にチャンスを生み出し、自分を幸せに導くファッションセンスを身につけていただければと思います。服装はまさに人間そのものであって、信条を表し、生き方を表し、いわば人間の象形文字である。
そうでなければ、人を表す形式が多々ある中で常に服装が最も雄弁に人を語るわけはなかろう。
(フランスの小説家 バルザック)自分らしさとは、デザイナーや店、あるいは雑誌などの言うことを鵜呑みにしないでいられるだけのセンスをあなたが育てたとき初めて生まれるものなのです。
(デザイナー アラン・フラッサー)院長の日記